ウエット性能とは
ウエット性能とは、雨天時などで路面が濡れたウエットの環境のなかでも、タイヤがきちんと路面をとらえ、ブレずに走ることができる性能のことをいいます。路面が濡れたウエットの状態では、タイヤの摩擦抵抗が小さくなり、路面をとらえる力(グリップ力)が低下します。
グリップ力の低下はブレーキの制動距離を長くさせたり、カーブの際にクルマが滑りやすくさせてしまいます。また、水が溜まった路面では、タイヤと路面の間に水が入り込み、クルマが浮いてあらぬ方向へと滑ってしまう「ハイドロプレーニング現象」を引き起こすこともあります。この現象が起こるとハンドルやブレーキが利かず、大きな事故を起こしかねません。そのリスクを防ぐために、タイヤに備わるウエット性能が重要となるのです。
ウエット性能を高く発揮するためには、効率良く排水するために最適な溝のデザインと、ウエット環境でもきちんと路面をとらえるグリップ力備えたゴム(コンパウンド)が必要です。一般的にコンパウンドを柔らかくすれば制動距離が短くなる傾向がありますが、タイヤは柔らかいほどに摩耗しやすいため、これに加えて剛性や耐摩耗性も大切な要素となってきます。
高速操縦安定性能とは
タイヤの高速操縦安定性能とは、「高速」で走ったり曲がったりする際にも、クルマが路面をきちんととらえて、十分に安定した走行を可能とする性能のことをいいます。
クルマが走ったり、止まったり、方向転換するためにはタイヤのトレッド面が路面に接地していることが必要ですが、クルマが高速になればなるほどタイヤが路面に接地する時間は短くなり、安定性が低下します。
また、高速で曲がる時には接地面に角度がつくとともにタイヤが変形し、タイヤが部分的に路面に接地しなくなることがあります。このような状態になるとバランスを崩してクルマが滑ったり、ハンドルがコントロールしづらくなったり、動きが不安定になり乗り心地を悪くしたりします。
高速操縦安定性能を高く発揮するためには、高速で走っていてもしっかり路面をとらえることができる、剛性の高いタイヤであることが重要。また走行中のバランスを考慮した設計やパターンデザインであることも大切です。
FALKENのテクノロジー
FALKENの「ウエット性能」と「高速操縦安定性能」は、タイヤの評価レベルが厳しい欧州市場において、高く評価されています。
快適なドライブを実現するために“路面とのコミュニケーション“を第一に考え、使用するゴムの材質にこだわり、ドライだろうとウエットだろうと、時に豹変するドライブ環境に置かれても常にドライバーが平常心でクルマをコントロールできるタイヤを提供しています。
また製品開発においては、ニュルブルクリンク24時間耐久レースで得てきたノウハウも生かしています。
- アシンメトリーなパターンデザインによるハイレベルな操縦安定性能
トレッド全体の剛性分布を最適化すると同時に、高速コーナリング時に高負荷がかかる外側のトレッドを高剛性化するために非対称形のパターン・デザインを採用。これにより接地圧分布を最適化させ、高速ドライビングで自在なハンドリングが楽しめる高度な操縦安定性能を実現。
直進時、コーナリング時ともに接地圧分布を最適化させ高速操縦安定性能を高めている。
- 強力な排水性を発揮する主溝が実現するたくましい耐ハイドロプレーニング性能
突然の雨など予期せぬ路面状況の変化に対応する、FALKENのパターン・デザインの特徴は、一見しただけで眼に飛び込んでくる「広くて深い主溝」。この主溝が、効率的に配置されたグループと相まって強力な排水性を発揮。耐ハイドロプレーニング性能を向上させている。
強力な排水性を発揮する主溝
- シリカコンパウンドによる安心感の高いウエットグリップ性能
FALKENのコンパウンドはポリマーをナノレベルで最適化し、シリカを高充填することにより、ゴム全体の剛性を保ちながら、接地面だけを柔らかくすることに成功。雨天時にもタイヤと路面の間に生じる細かな凹凸に絡みつくように接地し、ウエットグリップ性能を高めています。
●ウエット路面接地イメージ
- 細かな路面の凹凸との間に
隙間が発生。
- 細かな路面の凹凸に密着。
路面との接地面積が増加。