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いよいよ、レース本番!!実戦への想いと、意気込みを語る。| レッドブル・エアレースパイロット室屋義秀×住友ゴム工業株式会社 代表取締役社長 池田育嗣

エアレースのシビアな世界

室屋義秀選手
室屋義秀選手
池田社長

今年の開幕戦の映像を実際に拝見して、あんなに狭いところを凄いスピードで、
飛んでいくのだと、とてもびっくりしました。
少し角度を変えると、両端が1.6メートルぐらいしかないという話をお聞きして、
そんな状況であんなスピードで飛ぶんだと思い更に驚きました。
開幕戦は、本当に惜しかったですよね。
私も、入賞出来るのかなと思い、ドキドキしながら拝見してました。

室屋選手

そうですね、開幕戦はチーム的には結構満足できる成績でした。
次の千葉戦は新型機が間に合いますので、セットがうまくいけばだいぶ戦いは楽になるんですね。

池田社長

やはりスピードが早くなるんですか?

室屋選手

えぇ、空力的に良くなる感じです。
エンジンとプロペラは共通なので変更できませんので。
空力的に良くなると、2%くらい速くなりタイムにして1秒くらい上がるんです。
1分くらいのレースなので、1秒変わると順位が半分くらい変化しますので。
かなり楽しみです。

池田社長

それは楽しみですよね。

恐怖感の克服

池田社長

一度お聞きしたかったのですが、「恐怖感」は無いんですか?

室屋選手

いいえ。あります。(笑)

池田社長

いやぁ、すごいな思いまして。

室屋選手

やはり訓練を積んでくことで自分の範囲を少しずつ広げているだけで、いきなりやったら間違いなく出来ないですけれども。
その中で自分で制限しながらちょっとずつ、ちょっとずつ広げていくうちにこうなっているんであって、
結構ビビり症ではあるんですけれど。(笑)

室屋選手の描くイメージ飛行

池田育嗣社長
池田育嗣社長
池田社長

拝見した映像の中で、「瞬間的に自分の位置をちゃんと決めてこの角度で入っていかないとダメなんだ」という話をされて、ノートにも色々書いてましたよね。
そういったイメージをずっと持たれて飛ばれるんですか?

室屋選手

そうですね。
飛ぶ練習って3分くらいのセッションが4回くらいで終わりですので、ほとんどはイメージで作っていきます。
映像の1フレームずつを思い浮かべるようにして作っていって実際飛んだ時と頭の中の映像のズレを見ていく感じですかね。

池田社長

飛んでいくイメージをしっかりと描かれて、ここにはこんなマークがあって、それを見ながら「こんな風に飛んで行くんだ!」というイメージがやはり大事なんでしょうね。

室屋選手

頭で考え、反応するまで0.2秒くらいかかりますのでその間に20m進みます。
という事は、毎秒100m進んでいる事になるので、完全にパイロンに当たるんですね。 ですから、一瞬迷ってコースがズレたりすると、タイムとしてはガタッと落ちてしまいます。
反射神経に近い真直ぐなメモリー、ブレインのメモリーを使っている感じで、
そのイメージと合わせていくような感じがしますけど。

池田社長

素晴らしいですね。

室屋選手

「ここを通る!」って決めて、そこを見てると行けるんですけれど、一瞬心が乱れて「あ、ちょっと大丈夫かな?」と思うと大抵当たるんですよ。 パイロンも角度をつけて飛ぶと本当にもう通らないように見えて、もう無理だなっていう風に見えるんですが、「真ん中を決めて当たらない!」ってやると当たらないんですけど。

池田社長

いや、水平にしなくちゃ行けないし、幅が2メートルくらいしかないですよね。
あれは、凄いなと思って、本当にびっくりしました。 一瞬の油断も出来ない訳ですよね。

室屋選手

はい、3秒おきにゲートが来ますので。 次から次へと休んでる暇がないですね。 だから、生で観戦されると迫力がありますよ。

福島への想い

池田社長

普段は福島にいらっしゃるんですか?

室屋選手

はい、福島に住んで17年ですかね…。
福島市の郊外に農道空港という小さな飛行場がありまして、そこをベースにしてトレーニングをしています。
またエアショー等も、そこをベースに日本全国飛び回っています。

池田社長

いいですね。 当社も、福島県の白河市に白河工場とういう日本で一番大きなタイヤ工場がありまして、私も過去に2年と3年半の2回そこに勤務した事があるんですよ。
また、室屋さんがアメリカで訓練されていたという事なんですが、私もアメリカにも3年半勤務していた事がありまして、
そういう意味では近い存在だなと、勝手に思っているんですけど。(笑)

ふくしまスカイパーク(福島市農道離着陸場)
ふくしまスカイパーク(福島市農道離着陸場)
白河工場
白河工場
室屋選手

やはり、震災後は福島への想いが強くなりましたね。 まだまだ大変なので。

池田社長

あぁ、そうなんですよね。
私も2011年の大震災の時は生産担当の役員として、何としてでも復旧を急がなければと思い、地震が発生した3日後に陸路では行けないので札幌に飛行機で行って、札幌から福島へ移動するルートで白河工場に入ったんですよ。
まず工場のスタッフに会い元気づけるのと同時に、白河市の市長のところにもお伺いしました。 その時、白河市長からは「住友ゴムの工場を早く復興して、稼働して、白河市を元気にして欲しい」と言うお言葉を頂きました。

室屋選手

あぁすごい時期ですね。

池田社長

その時、「4月末までには何とかします!」って約束して、約束通り復興して、普段通りの活動をするのが一番元気がでるんだと感じました。

FALKENがレッドブル・エアレースを応援する理由

池田社長

「ファルケン」ブランドは若々しく、躍動感があって、というイメージをみなさんに訴えていきたいと考えています。
そのイメージをより分かり易くするには、エアレースと、そこに参戦する室屋選手の姿がとてもマッチングすると思いました。
「ファルケン」をわくわくして躍動感あるブランドに育てていきたいと考えていますので、是非ご協力宜しくお願いします。

室屋選手

嬉しいです、よろしくお願いします。