自動車メーカー、タイヤメーカーが開発テストを行うサーキットとしても有名な「2019 ADAC TOTAL 24h Race (ニュルブルクリンク24時間レース)」は、高低差300m、ブラインドコーナーを含め約170ヶ所のコーナーを持つ北コース(オールドコース)と、F1も開催される近代的なGPコースをつなげた1周約25kmのフルコースを使用し、世界一過酷なレースとも言われています。
FALKENは昨年に引き続き「FALKEN Motorsports」として、昨年総合9位で完走した「Porsche 911 GT3R」と、同じく総合15位で完走した「BMW M6 GT3」の2台体制で総合優勝を目指します。
また、昨年「SP3T」クラスで5度目となるクラス優勝を果たした「スバルテクニカインターナショナル」へのタイヤ供給も引き続き行い、欧米を中心に高い評価を得ているFALKENブランドのさらなる価値向上を目指すとともに、モータースポーツの発展に貢献します。
ニュルブルクリンク24時間耐久レース。それは世界一過酷との呼び声高い極限の持久戦。
FALKENは1999年の参戦以来、独自の欧州品質を高め、一般車へそこで得たノウハウをフィードバックしてきた。
日本チームとして初の3位の快挙を成し遂げた2015年。
そして、その先にある頂点を目指して。今年もまた過酷を極めるレースに挑む。
世界中から20万人以上もの人が訪れ、その闘いの模様は電波の波に乗って世界へ発信される。
ADACチューリッヒ24時間レース、通称ニュル24時間。この究極のサバイバルレースは、今やドイツのローカルレースの範疇を超えて、世界が注目する代表的な耐久レースとなった。
とにかく無茶で過酷で、だからこそドラマティックで――。
2018年5月12日15時30分。46回目のADACチューリッヒ24時間レース(ニュル24時間)のシグナルがグリーンに変わった。
今年の参戦車両は150台。最盛期より減少したのは、オーガナイザーが危険性を鑑みて、適正な台数に絞っているから。
ドライバーを務めるためにはVLN(ニュル耐久シリーズ)への2回以上の参戦経験が求められたり、10年以上に生産されたマシンのみが出場できる(特例を除く)などのローカルルールが代表的なハードルだ。
とはいえ基本的には草レース。幅広いマシンに参加資格がありクラス分けも豊富だ。各々に闘いがありドラマがある。
かつてはもっと牧歌的な草レースだったという。
地元のチューナーやプライベーターが自前でマシンを仕上げて挑むような、ローカルな24時間耐久レースだった。
グランプリコースとノルトシュライフェ(北コース)をつなぐ全長25.378kmものコースを、24時間走り続けて距離を競う。
最大で300mもの高低差と170以上ものコーナーが存在し、路面はバンピーでジャンピングスポットもある。セーフティゾーンも極小だ。
ローカルな24時間レースの頃は絶対性能が限られていたから、それでもよかった。
しかしこの地が過酷な環境だったからこそ逆に自動車メーカーにとっては開発の聖地となり、ラップタイムが性能を示す指標となっていった。
次第にローカルイベントでは収まらなくなり、2000年代からは特に自動車メーカーがワークス体制で乗り込むようになった。結果として速度差のあるマシンが200台以上も入り乱れる状況へ。
単独で走るのでさえ過酷な環境下で、速度差のあるマシンがそれぞれレーシングスピードで闘うのだから、あちこちでクラッシュが連続する。
究極のサバイバル・レースとして認知された。
しかも、例年開催されるこの時期は、必ずどこかで天候が崩れるのだから不思議だ。今年もその例に漏れず。
むしろ、例年以上に悪天候が続いた。夜中から降り始めた雨は次第に強さを増し、濃霧による影響も手伝って、残り4時間弱というタイミングでレースが中断する。
再開が危ぶまれるほどの状況ではあったが、オーガナイザーは残り90分での再スタートを決断する。
日本なら絶対に再開しないだろう。なにしろ中断した時よりも、再開した時のほうがさらに悪天候だったのだから。
まるでニュルの風物詩のようなスカイブルーとライムグリーン。
ファルケン・モータースポーツはニュル24時間に挑戦し続ける。今年も2台のGT3マシンでポディウムを狙う。
ファルケン・ヨーロッパは、ニュル24時間というイベント自体のオフィシャルスポンサーを務めている。もちろんブランドイメージを高めるための施策である。
たくさんのサポートイベントを含めてニュル24時間を世界中に発信しているその様子は、開発現場として欠かすことのできないステージだからこそ、自らで大切に守り続けているようにも感じる。
スポンサーをしているからといって、タイヤのワンメイク供給など眼中にない。むしろ世界中のタイヤメーカーを招集し、積極的に闘わせているようだ。
レースを支え、そこで正々堂々とした競争をして勝つ。そうでなければ意味はないと思っているのだろう。
今年、彼らはどんな闘いを見せてくれるのか。
ライバルを制して表彰台のてっぺんにスカイブルーとライムグリーンのマシンが収まる光景を期待せずにはいられない。
ノルトシュライフェが憧れと恐怖を尊敬を込めてグリーンヘル(緑の地獄)と呼ばれるのなら、それを掌握しようと挑み続けるスカイブルーとライムグリーンのマシンを、最大の敬意を込めてグリーンヘブンと呼びたい。