これから始める人も、究めたい人も。
インチアップを実践する際、もっとも大事なのが適切なタイヤ選び。基本編でも記述した通り、誤ったインチアップは車検が通らなかったり、事故や故障のもとになったります。
ご自身のクルマの標準タイヤサイズをきちんと把握して、条件に適したタイヤを選ぶことが大切です。インチアップをすることで「運動性能」「グリップ性能」「コーナリング性能」の向上といった走り面はもちろん、クルマの印象・見た目が一変します。正しくインチアップを行い、愛車に輝きを演出してください。
インチアップするのであればタイヤの構造をぜひ熟知しましょう。タイヤは、高速回転や熱、衝撃、変形にも対応しなければならないため、大変緻密にできています。
内部はトレッド、ショルダー、サイドウォール、ビードの部位に別れており、ゴム層やベルト、カーカス、ビードワイヤーなどの部材で構成されています。また、タイヤの外形は空気によって維持されますが、空気圧は車種ごとによって適正空気圧が決められています。
インチアップ時は適正なタイヤサイズを選ぶことはもちろん、適正空気圧にも気を配ってください。
a 断面幅
タイヤの幅を意味します。
総幅からタイヤ側面の文字や模様などを引いた幅となります。
b 偏平率
タイヤの断面幅に対する高さの利率です。タイヤの高さ(H)÷タイヤの幅(S)×100で計算します。偏平率はアスペクトレシオとも呼ばれます。
まず、現在装着している標準タイヤサイズの外径を調べます。インチアップするタイヤの外径はインチアップ前とほぼ同じものを選択しなければなりません。タイヤの外径を変えてしまうと、回転数が狂ってしまい、スピードメーターにズレが生じることもあります。
次に、ロードインデックスを確認します。基本編でもご紹介しましたが、インチアップする時には標準タイヤサイズのロードインデックスを下回らないタイヤを選ぶことが大原則。荷重が下がるとタイヤがクルマを支えられなくなり、事故・故障につながる危険があります。ロードインデックスで負荷能力をチェックし、下回らない数値のタイヤを選びましょう。
装着するタイヤが車体からはみ出ないよう、装着することも重要です。インチアップでは、幅の広いタイヤを装着することも可能ですが、タイヤがフェンダーよりもはみ出してしまうと、法律違反となり走行することができません。タイヤがフェンダーからはみ出さない、車体に干渉しないことも、必ず守りましょう。
※本表は、標準装着サイズを基準に対応可能なサイズをシリーズ別に示したものです。